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NHK「子供たちへ 時任三郎世界電気の旅」を見て

今朝、8時15分から9時5分まで、NHKの番組「子供たちへ 時任三郎世界電気の旅」を見ました。
ドイツのシェーナウ市と、デンマークとフィンランドの、3つの国や地域のエネルギー政策を見て回るドキュメントです。
私は、非常に感心しました。
これらの国の人たちは、ひとくちでいえば、「民度が成熟している」と感じたからです。

まず、ドイツのシェーナウ市というのは、ドイツの南西部にある人口わずか2400人程度の小さな町です。
1986年に起こった、チェルノブイリ原発事故によって、農作物やきのこ、牛乳などあらゆる食べ物が汚染されてしまったことから、脱原発の取り組みが始まりました。
チェルノブイリからシェーナウ市までは、およそ1700キロもあります。それでも、放射性物質はこの町を汚染してしまった、という事実にも驚きました。
東京から沖縄までの距離が約1600キロです。
もしも、今回の福島原発事故がチェルノブイリ事故と同じ規模の大惨事になっていたら、北海道や鹿児島県も放射能に汚染されていたことになります。
それはさておき、シェーナウ市が脱原発への取り組みを始めたのは、一人の主婦が立ち上がったからでした。
いつの時代もどこの国でも、時代を変革するのは男性よりも女性の力が大きな力となっていくことを感じます。
その主婦は、原発をやめるように電力会社に訴えました。
しかし、当然ながら、電力会社は原発をやめることはありませんでした。
それならば、ということで、この主婦は自分たちで電力会社をつくろうと考えます。

そこで、シェーナウ市では住民投票をおこない、自分たちの市で電力需要をまかなう電力会社をつくるべきかどうか、住民投票をおこないました。
このようなテーマの住民投票をおこなう、ということ自体、私は大変驚きました。
日本だったら、ありえないでしょう。
しかも、結果は過半数の52%の住民が「賛成」だったのです。
そして、住民たちから出資をつのり、電力会社をつくり、水力や太陽光などの自然エネルギーによる電力会社をつくってしまったのです。

この電力会社の電気代は、独占的に支配している既存の電力会社よりも1割ほど割高です。
しかし、自然エネルギーによって発電していることを「売り」に、成長していきます。
最初に脱原発を訴えて立ち上がった主婦は、その電力会社の社長として活躍しました。
いまでは、2400人のシェーナウ市の電力だけではなく、ドイツ各地の13万世帯に電力を供給する会社となっています。
そして、ドイツではそれまで地域ごとに独占的な1つの電力会社しかなかったのが、今ではさまざまな電力会社が誕生し、競争するようになったのです。

デンマークでは、1975年に原発をつくるかどうかを決めるとき、国民に原発の長所と短所について解説した詳しい資料を配布し、3年間かけて国民的議論をおこないました。
その結果、国民投票で原発をつくるべきではない、という結果になりました。
そして、原発にかわって、自然エネルギーのなかでも特に風力発電を推進することになりました。
いまでは、風力発電を国外に輸出するまでに成長しています。

最後にフィンランドです。
フィンランドでは、原発を推進しています。
しかし、原発によって生み出される核廃棄物を処理するため、25万年も格納できる処理場をつくりました。
フィンランドの未来の人々に、核廃棄物の問題で迷惑をかけないためです。
この電力会社の本社は、原発の敷地のなかにあります。
原発は100%安全ではない、ということを認識しています。だからこそ、安全性を100%に限りなく近づける努力をすべく、本社を原発の敷地内において、全社員が一丸となって安全性を高める努力をしているのです。

私は、こうした国々のエネルギー政策の取り組みをみながら、私自身、エネルギーの問題にほとんど関心を払わなかったことを反省しました。
私たちの国のエネルギー政策はどうあるべきか。
自分たちの子孫の世代に、この国をどう引き継いでいってもらうのか。
そうしたことを考えるのは、今の私たち大人の責任です。
そのことを学ぶことができた番組でした。

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