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選挙制度改革――「1票の格差是正」を早期実現すべき

国会では、衆院選挙制度改革に関する協議会が21日に開かれ、衆院の「1票の格差」を早期に是正する方針で、各会派とも一致した。
しかし、その改革案については、各政党間で隔たりある。
大政党に有利とされる小選挙区制を基軸に据えた現行の制度維持を掲げているのは、やはり大政党である民主党と自民党。
この両党ともに、現行の小選挙区比例代表並立制を維持しつつ、小選挙区について現行の「一人別枠方式」を廃止する関連法案を、今の臨時国会で成立させたい構え。

これに対して、公明党をはじめ、共産党、社民党、みんなの党、国民新党、たちあがれ日本などの野党は、基本的には比例中心の制度あるいは中選挙区制度を求めている。
そのなかで、公明党と国民新党はともに、比例代表連用性を主張。この比例代表連用制は、現行の比例代表並立制と最も近く、小選挙区と比例代表の2票制度は同じなので、有権者の混乱が最も少ない。
そのうえ、比例代表にも配慮した制度なので、現行の制度よりも中小政党にとっては有利に働く。

詳しい解説は省くが、小選挙区比例代表並立制は、一言でいうならば、実質的に小選挙区制度がメインで、比例代表は付け足しに過ぎない。実際に、議員定数も、小選挙区300人に対し、比例代表の定数は180人と少ない。小選挙区制度は、周知のとおり、選挙区で1人しか当選しないため、当選者以外に投票した票はすべて「死票」となってしまい、民意が反映されにくい、という弊害が指摘されている。
これに対し、比例代表制度は、投票した有権者の意思が議席に比例配分されるので、民意が反映されやすい(だからこそ、「比例代表」という名称なのだ)。

私も、小選挙区制度を重視した現在の制度は、大きな欠陥があると考えている。
なぜなら、小選挙区制度では、「あれかこれか」という二者択一になりがちである。しかし、政策というのは、それほど単純に「あれかこれか」とはなりにくい。
政策的に対立軸がはっきりしているのであれば、政党間で対立を打ち出すこともありうるが、しかし、現在のような政治状況をみると、たとえば、東日本大震災の復興には全員賛成だし、エネルギーの転換も全員賛成だし、重要な課題については、大きな相違点は生じにくい。
さらに、国民の多くが賛成しにくい増税については、各政党とも慎重にならざるをえず、国民が難色を示す政策についてはほかの選挙制度であるよりももっと打ち出しにくいのが現実だ。

ゆえに、対立の基軸がはっきりしないなかで、小選挙区制度で戦う場合、必然的に政策競争ではなく、対立政党を中傷するために、政策よりも政局による不毛な対立に駆り立てられてしまう。
かつて、民主党が野党時代に、「審議拒否」を繰り返すしか能がなかったように。

今思えば、選挙制度改革があたかも政治改革とイコールであるかのような風潮に流されてしまったのが、間違いだったと思える。
いまさらといえばそれまでだが、やはり、冷静になって考えてみれば、現行の選挙制度は間違いだったと気が付いた以上、改めるべきは改めなければならない。

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