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月刊誌「第三文明」に掲載された森田実氏と山口那津男代表との特別対談を読む

昨日も本日も猛暑日のなか、市民相談や党員への訪問活動で明け暮れました。
安保法制整備に関する閣議決定に対して、集団的自衛権を丸ごと容認したかのような、間違った報道が7月1日以降、テレビや新聞で大々的に報道された影響で、いまだに、そのような間違った認識を持った方が大勢います。
党員のなかにも、そうしたマスコミ報道に影響を受けた方が少なくないため、7月は10回以上にわたって座談会や各種会合などで、今回の閣議決定の内容について説明をおこなってきました。
要するに、「憲法9条のもとで許容される自衛の措置として、自国への武力攻撃または自国への武力攻撃と同等の「明白な危険がある場合」に限って、それが許容されることを明確にしたものであり、外国へいって戦争することにはならないこと、まして徴兵制度をとって国民を兵隊に駆り立てることなど、ありえない」などと話してまいりました。

丁寧に話せば、皆さん理解していただけるのですが、しかしテレビや新聞の影響は大変に大きいことを実感いたします。
「日本が平和主義を捨てて、戦争する国になった」「徴兵制度になって、国民が兵隊にとられるようになる」というマスコミ報道を、本気で信じている人が本当に多い。
本当に、マスコミの「ねつ造報道」の責任は重大である、としみじみ実感しております。

本日の夜も、そうした政治学習会(学習会といっても5,6人の少人数の会合)が開催され、そこに参加された方からの質問に1つ1つ丁寧に答えながら、疑問と不安を解消してまいりました。
そのなかで、昨日発売された月刊誌「第三文明」9月号のなかに、政治評論家の森田実氏と山口那津男・公明党代表との特別対談が掲載されており、昨日と本日の政治学習会ではその記事も資料にしながら、今回の閣議決定について説明をいたしました。

第三文明9月号

この記事の中で山口代表は、今回の集団的自衛権の議論の経緯について、2006年の第一次安倍内閣のときからさかのぼって説明しております。
その第一次安倍内閣のとき、安保法制懇を立ち上げたのですが、その答申を受け取ることのないまま当時の安倍首相は退陣してしまいます。そして、二年前の衆院選のあとに第二次安倍内閣が発足したあと、再び安保法制懇を立ち上げて、その答申が今年5月15日に出されたわけです。

しかし、昨年の参院選のときから、「集団的自衛権を丸ごと認めるようなことはしない」と山口代表は安倍首相に伝えていたため、その安保法制懇の答申のなかで示された「個別的であれ集団的であれ、自衛権については憲法上の制約はない」という見解を、安倍首相は採用しない、と明言しました。
そのうえで、安全保障環境の変化に対応して限定的な集団的自衛権について研究してほしい、ということが投げかけられ、与党協議が始まります。
そうした経緯を見過ごして、今回の閣議決定だけを見るならば、「今回の集団的自衛権に関する全体の議論の筋を見誤ってしまいます」と山口代表は述べております。

また、森田氏は「今の自公連立政権を45人学級にたとえると、公明党は5人で自民党は40人だと。国会は常に数の論理です。だから40対5の勢力関係のなかで、公明党はこの問題に取り組んだ。
しかし、その勢力関係の中で、五分五分以上の交渉をおこない、交渉は明らかに公明党が勝ちました。これはすごいことだと思います。
今回の閣議決定はこれから起こることと比べたら本当に入り口であり、閣議決定の内容に見合う法律を作ろうと思うと、これは結構大変なことだと思いますが、私は公明党がいる限り、日本が間違いを犯すことなくやっていけると確信しています」
と述べて、山口代表および公明党にエールを送っていただいています。

今回の閣議決定のなかで、自国防衛のためにきわめて限定的とはいえ集団的自衛権の行使を容認したことをとらえて、あたかも集団的自衛権を丸ごとすべて容認したかのごとく誤解がされていますが、山口代表は、今回の限定的容認について、こう述べています。
「今回は日本に対する攻撃の有無を追求する形式的なことよりも、何のために武力を使うことを憲法は許しているのか、あるは制限しているのかを見極めて、やはり国の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から根こそぎ覆されるような危機的な状況になって、ほかに手段がない場合に限って、必要最低限の手段を使ってもいいということが、政府がとってきた考え方の究極の枠だということで、新たな三要件に絞り込んだのです。」

「つまり、あくまでも専守防衛であり、日本を守るためにだけ許されていることなのです。これからもその考え方は変えません。」

「(政府が示した集団的自衛権の行使が想定される8つの事例について)現実的には、これらの事例からは国民の生命、幸福追求の権利が根底から覆される状況はなかなか想像できません。ペルシャ湾での機雷除去という事例も、ペルシャ湾だけに日本の生命線を頼っているわけではありません。今は備蓄もあり、天然ガスもほかのところからも輸入しているような状況のなかで、それが日本の存立を脅かすとか、国民の権利を根底から覆すのかというと非現実的です」

と述べており、今後の国会での法整備の議論のなかで「公明党がしっかりと後ろから“ぎゅっと”締めていく」と宣言しています。

特に、政府が与党協議のなかで示した15の事例のうち、集団的自衛権行使にかかわる事例については、「これらの事例からは国民の生命、幸福追求の権利が根底から覆される状況はなかなか想像できません」とばっさりと斬っていることは、この対談のなかで非常に強い印象を受けました。
一部のマスコミは、今回の閣議決定によって、与党協議のなかで政府が示した事例も認められた、と報道しておりましたが、それは明らかに間違いである、ということです。

ともかく、政府および与党は今回の閣議決定に対して、もっともっと国民に対して、しっかりと説明をしていかなければなりません。
これからも、この問題について疑問があると言われれば、どこにでも行って説明をしていこうと思っています。


ちなみに、この「第三文明」9月号には、集団的自衛権に対して否定的な見解でマスコミにも何度も登場した、阪田雅裕(さかた・まさひろ)元内閣法制局長官のインタビュー記事も載っています。
阪田氏は、「立憲主義の破壊に反対する――国民安保法制懇」のメンバーの一人であり、その阪田氏が今回の閣議決定について、こう述べているのです。

「この内容(閣議決定)は、自衛のための必要最小限度の範囲内で集団的自衛権の行使を認める、とするものです。
自衛のための措置ですから、武力行使ができるのは、『我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合』に限られていて、その点では、今回の閣議決定は、従来の政府見解と基本的な考え方を同じくするもので、その延長線上にあると受け止めることができると思っています。」
と述べております。

「また、解釈改憲であるとの報道がありますが、もし、今までの政府見解はすべて間違っていた、全く新しい理屈に変えた、ということを解釈改憲とよぶとすれば、今回の閣議決定は、それには当たらないといえます」
「今回の見解は、今、わが国が実際に攻撃を受けていなくても、わが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、その国が敗れて、次は間違いなくわが国が攻撃されるといった場合もありうる、その場合に何もせず放置するならば、いざ攻撃を受けた場合には守りきれないということもあるのだ、ということが前提になっているのでしょう。(中略)
これは、軍事技術の進歩などを論拠として説明されていて、いわゆる先制攻撃と似ているともいえますが、『自衛のために』従来の国際法上の個別的自衛権ではカバーできない場合でも、集団的自衛権を行使して自衛隊が出動することが可能であるという説明です。
その限りにおいては、従来の政府見解と少なくとも論理という点での一貫性は保たれているといえます」
と述べて、今回の閣議決定は従来の政府見解の延長線上にあることを論理づけています。

ただし、閣議決定では具体的な事例が示されていないことから、これからの国会での議論のなかで具体的事例を提示して、実際に集団的自衛権行使の歯止めとして機能させる必要があると述べております。
そして、「公明党の主張が武力行使の歯止めとして、現実的に機能するものかどうか私は大いに注目しています。海外での武力行使の容認は、極めて限定的であることを、公明党は抽象的な言葉ではなく、具体的な事例に即して、しっかりと国民に語っていただきたいと思います」と、公明党への期待を述べております。
この「第三文明」9月号には、大いに参考になる記事が掲載されているので、ぜひ、一読することをお勧めします。

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