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日本経済の危機をどうとらえ、どう克服するか――カギは、新興国中間層の取り込みにあり

本日の公明新聞の記事「土曜特集 『中間層』の復活なるか」を読みながら、わが国の経済危機とはいかなる状況なのか、それを克服するにはどうすべきなのか、について考えました。
この記事を読んで、認識を新たにした点は2つあります。
その1つめは、日本は今、「総貧困社会」へと移行しつつある、という点です。

これまでの論では、日本は中間層が崩壊して貧困層が増大していますが、それと同時に一部の高所得層の山が存在していて、二極分化が進んでいる、といわれてきました。
しかし、本日の記事のなかで、小塩隆士・一橋大学経済研究所教授がデータをもとに二極分化を否定。
所得全体の山が低い方へ移り、中間層が縮小していることは事実ですが、もう一方の高所得層の山はありません。高所得層自体も減少しているのです。
つまり、「総貧困社会」が現出しつつある、というわけです。
このことは何を意味するかというと、高所得者の所得を低所得者へ再分配しようとしても、高所得層自体が減少し、さらに低所得層がどんどん増大しているため、再分配に期待することはできない、ということです。

そして、それよりも重要なことは2つ目の点にあります。
わが国が高度成長を成し遂げることができた大きな要因の1つとして、地方から都市部へ移住して生産面で経済成長を支えてきたことがあげられます。
その人たちが中間層となって家電製品や自動車、住宅などを購入する購買層となってきました。
つまり、わが国の経済は、中間層の拡大とともに成長してきたわけです。
ところが、その中間層が減少し、低所得層の増大という「総貧困社会」へ移行しつつあります。
ということは、わが国の国内では、経済を押し上げるだけの消費需要は期待できない状況にあります。
同時に、2007年頃から人口減少が始まっており、この人口減少によって、国内の需要はますます減少に輪をかけていくことになります。

ということは、わが国の国内市場は今後、先細りの一途をたどるのは必然だということです。
いわれてみればその通りなのですが、そのことを今後の経済政策や社会保障、その他の政策でどう対応するべきなのか、という議論はほとんど見当たりません。
あるいは、この困難な危機的状況に対して、打つ手がないため黙視するしかないのかもしれません。
しかし、放置しておけば、ますます経済は悪化し、それは財政破綻を現実のものとし、この国は衰亡の一途をたどります。

そこで、国内市場が先細りにならざるをえないのが現実である以上、海外の経済成長著しい国々における増大する「中間層」の需要をわが国に取り入れていくことが非常に重要になります。
これが、私が注目した2つ目のポイントです。
かつて高度成長期に地方の人々が都市部に流入して中間層となり、わが国の成長を支えたのと同じように、これからの日本経済は、新興国の中間層をどう取り込むか、にかかっているといっても過言ではないでしょう。
そのことの是非について国民的議論を活発におこなうとともに、政治の場のおいても政策的対応を考えていかなければならないと思います。

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