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八ツ場ダム建設問題に思う

民主党が2009年の衆院選のマニフェストで掲げた「無駄な公共事業」の象徴として中止を示した群馬県の八ツ場ダム。
民主党に政権交代してから、2年以上が過ぎましたが、いまだに、その最終判断は先送りされたままです。
この問題について、建設賛成派、反対派ともに不満を募らせています。

この問題は非常に複雑な糸がからまっていて、一見、ほぐしようがないと思われていますが、その絡まった糸を1本1本、ほぐしてみたいと思います。
まず、民主党が、なぜ当初、八ツ場ダム建設中止にこだわったのか、ということから考えてみたい。
民主党のマニフェストには、「コンクリートから人へ」というキャッチフレーズのもと、自民党による公共事業政策を否定し、「自民党から民主党に政権交代したら、このように大きく変化しますよ」ということを示す象徴的なものが、この八ツ場ダムでした。
そこで、2009年に民主党が自民党と替わって政権交代したと同時に、まずおこなったことが、「補正予算の凍結」であり、「八ツ場ダムの建設中止」でした。

つまり、民主党にとっては、八ツ場ダムが本当に必要なのかどうかは、二の次だったのです。
自民党の時代から民主党の時代に変わった、ということを世の中に人に示すための象徴的な政策として、八ツ場ダム建設中止が選ばれたからだったのです。
だから国土交通大臣が、前原さんから現在の前田さんに至る4人も大臣が代わりながら、いまだに迷走を続けているのです。
まず、これが民主党の八ツ場ダムに対する根本の立場であることを確認しておきます。

つぎに、八ツ場ダム建設賛成派の立場について考えてみます。
八ツ場ダムについては、すでに数十年もの歳月をかけ、何百億年もの資金を投入して、その7割とも8割ともいわれるぐらい、事業は進んでおりました。
その事業を突然、中止してしまったら、「今までの苦労は、何だったの?」というのが、建設賛成派の本音だと思います。
それに対して、建設反対派は、八ツ場ダムによって破壊される自然を保全したい、というのが一番の本音であり、賛成派が考える経済的問題はまったくといっていいほど、考慮していません。
ここに賛成派と反対派の大きな食い違いがあり、この溝が埋まることはないでしょう。
ですから、政治的に決着をつけるしかない問題なのです。その政治的な決着をつける力が、民主党政権にあるのかないのか、が今、問われているわけです。

さて、ではその政治的決着を民主党政権がつけられるのかどうか(つまり、当初の方針通り、建設中止でゴリ押しできるかどうか)、という問題が、今、残っている最大の問題です。
当初の方針が大きく揺らいでいるのは、八ツ場ダム建設の可否の検証を、関東地方整備局にゆだねたことでもわかることだと思います。
民主党政権は当初、「政治主導」(その中身は、ただの官僚無視)という方針を打ち出しました。
これ自体は、悪くなかったと思いますが、しかし現実は、そのおかげで民主党政権は官僚に見放されてしまい、政策のうえでも行き詰まってしまいました。
その挙句、官僚の言い分をきかなければならなくなってしまった、ということが、八ツ場ダム検証の仕方に表れていると思われます。

さて、この問題の決着は、どうなるのかを予想してみましょう(かなり、大胆な予想ですが)。

このヒントは、普天間の米軍基地問題の迷走と照らし合わせてみると、案外、簡単に予想できそうです。
普天間基地については、当初、鳩山前首相が「国外へ移転、最低でも県外移転」と言っていました。
それが迷走に迷走を重ねた挙句、元の木阿弥になり、辺野古移転に落ち着きました。
しかし、地元・沖縄では、「辺野古への移転は絶対に認められない」という態度硬化をもたらしております。

ここまでいえば、私がいいたいことはもうおわかりだと思います。
前田国土交通省は、「年内に私が責任をもって決着をつける」と大見得を切っておりますが、鳩山前首相も普天間基地問題では、当初「年内に決着をつける」と言っておきながら、翌年の3月になっても5月になっても決着がつかず、最後は辞任して終わりました。
そのデンで言えば、前田国土交通省も、鳩山前首相と同じ轍を踏む可能性があります。

民主党政権にとっては、政権獲得前にばらまいた、「耳あたりのいいキャッチフレーズ」が現実の前には通用しない、ということを、この八ツ場ダム建設問題でも「勉強」してもらうことになりそうです。

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