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全体像なき「社会保障と税の一体改革案」

現在、衆院社会保障と税の一体改革特別委員会で審議されている「社会保障と税の一体改革案」について、さまざまな方面から反対意見が出されています。
私は、この法案の中身を見ながら思うのは、基本的な方向性やポイントについて、どれだけの人がよく理解したうえで、賛成や反対を言っているのか、少し疑問に思っています。
山口那津男代表をはじめ、わが党の幹部が口をそろえて言っている通り、まず、「社会保障の全体像を示す」ということを、政府・民主党はしていないから、このような事態に陥っているのだと思います。

たとえば、このまま高齢化がますます進んでいくことが明らかである以上、どんなに消費税をはじめとする税金を増税しても、社会保障費がどんどん伸び続けていくので、財政の破たんは目に見えています。
だからこそ、医療費や年金制度や介護保険制度、さらには生活保護や子育て制度などを含めた、あらゆる社会保障のあり方をどうするのか、を全体的に議論しなければなりません。
ところが、そうした「総論」がなく、それぞれの「各論」だけが示されています。
しかも、その各論も小手先の改革でしかありません。
だから、異論反論が噴出し、合意をはかることができない状態に陥っているのです。

私なりに、総論として、これからの日本の社会保障はどうあるべきかを言えば、次の2点に集約されると思います。
1.ある程度は、負担能力に応じた負担をしていただくこと
2.年金制度と医療制度と生活保護制度の整合性をはかり、制度の矛盾を解消しつつ、本当に生活困窮している人にどういう支援をしていくのかの方針を新たに示す

詳細は省きますが、現在の社会保障制度は、前述のとおり、このまま維持していくことは不可能です。
だからこそ、負担や給付の原則を決めなければなりません。
ですから、高齢者といっても、資産や所得の多い人には、やはり負担をお願いせざるをえませんし、給付は減らさざるを得ません。
さらに、現在は国民年金の給付額よりも生活保護費のほうが多い。
だったら、国民年金の保険料を払うよりも無年金者になり、生活に困ったら生活保護を受ければよい、という考えが横行しつつあります。
しかも、生活保護ならば、医療費もタダです。
実際に、生活保護費のうちの半分近い48%は医療費なのです。
こうした制度的矛盾を解消しなければ、まじめに国民年金を祓って年金生活することなど、ばかばかしくてやってられない、という思いに駆られる人はますます多くなると思います。

また、子ども・子育て新システムについて、幼稚園と保育園の垣根を取り払う「総合こども園」制度の創設については、自公政権時代にスタートした「認定こども園」とどう違うのか。
「待機児童の解消」を目指すのは、どちらも一緒なはずです。
ところが、こうした点の議論をきちんと深めずに、自公政権時代につくられた「認定こども園」に対する反対ありき、というようなことでは、歩み寄れるものも歩み寄れなくなります。

そのほか、問題点をあげればキリがありませんが、今回の政府の提出した「社会保障と税の一体改革案」は、ありきたりですが「増税ありき」という方針のみしかない、未熟な案であることが明らかなので、もう一度きちんと全体像から練り上げて、出し直してもらうしかない、と私は思います。

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