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健康保険制度について――その2

前回の続きです。

公的健康保険制度の本当の目的は何か? という問いに対する私の見解を述べる前に、少し考えてみましょう。
健康保険制度がなんのためにあるのか、というと、すぐに思い浮かぶのは、社会的経済的弱者の救済のための制度、ということだと思います。
確かに、国民皆保険で収入に比例して保険料を負担することによって、低所得の人は、少ない保険料ですむし、さらにいえば保険料を免除されることもあります。ですから、その回答は間違いではありません。
しかし、保険料を減免されるのは、全体から見ればごくわずかであり、ほとんどの国民は、毎月、数万円の保険料を納めています。年間でトータルすれば、30万円とか40万円あるいは、それ以上の保険料を支払っているのです。
つまり、年間で30万円以上もの保険料を支払いながら、1年に1回ぐらいしか風邪をひかない人は、そのときの風邪の医療費は数千円で済むかもしれませんが、30万円以上の保険料を支払っていることからみれば、かなり高額の支出を余儀なくされている、といわざるをえません。
前回、「健康保険のおかげで、風邪をひいても安い医療負担ですむ、というのは、正しいとはいえない」ということの理由は、こういうことです。

さて、話に戻りましょう。
健康保険制度は、なんのためにあるのか? 経済的弱者の救済という理由よりももっと大きな理由は何か。
ヒントは、健康保険制度によって、一番トクしているのは、だれか? ということです。
病院は、常に患者さん(=お客さん)があふれている状態でなければ、儲かりません。
患者が病院にたくさんあふれている状態となるためには、医療費が安くなければ、庶民は気軽に病院に行けません。
健康保険制度のおかげで、高額な保険料を支払っていることを除けば、1回1回の診療代は保険制度のおかげで安くてすみます。
そのおかげで、病院には常に患者があふれている状態になっているのです。

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