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マタニティハラスメント対策に本気で取り組むべき

マタニティハラスメントによって職場を去らざるを得なくなった女性の方が少なくないことをニュースで知りました。
このマタニティハラスメントとは、妊娠や出産を契機に会社から嫌がらせを受けたり退職を迫られることをいいます。
また、妊娠したことによって退職を迫られた方が、退職を拒否してそれまでと同じ過酷な仕事を続けたところ、流産を経験された方もおられます。
これは、結婚を機に女性に退職を迫る、いわゆる「結婚退職勧奨」と同根の問題であり、背景には「女性は結婚したら家庭に入るべき」という時代錯誤も甚だしい考え方がいまだに社会のなかに根強く存在していることを表しています。

しかし、男女雇用機会均等法では、第9条の2で「事業主は、女性労働者が婚姻したことを理由として、解雇してはならない。」とあります。
同じく第9条の3では「事業主は、その雇用する女性労働者が妊娠したこと、出産したこと、(中略)その他の妊娠又は出産に関する事由であつて厚生労働省令で定めるものを理由として、当該女性労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。」
とあります。

さらに、妊娠中及び出産後の健康管理に関する措置として、同法第12条では「雇用する女性労働者が母子保健法の規定による保健指導又は健康診査を受けるために必要な時間を確保することができるようにしなければならない。」とあり、第13条では「事業主は、その雇用する女性労働者が前条の保健指導又は健康診査に基づく指導事項を守ることができるようにするため、勤務時間の変更、勤務の軽減等必要な措置を講じなければならない。」とあります。

つまり、上記の結婚や妊娠・出産を理由に休業を請求したり解雇やその他不当な取り扱いをしてはならないし、妊娠・出産を配慮して保健指導や健康診査を受けるための必要な時間を確保したり、勤務時間の変更や勤務の軽減等、必要な措置を講じなければならないのです。
そして、妊娠や出産を理由に解雇したとしても、同法第9条の4には「妊娠中の女性労働者及び出産後一年を経過しない女性労働者に対してなされた解雇は、無効とする」ことになっております。

ですから、会社から結婚や妊娠・出産を理由とした解雇はできません。
だから、会社側としては女性が自らの意思で退職するように迫るわけです。
これが、マタニティハラスメントです。

いうまでもなく、こうしたマタニティハラスメントは男女雇用機会均等法の精神に背くものであり、違法です。
問題は、女性の妊娠・出産の時期だけ、労働負担を軽減するなどの配慮ができない職場環境にあると思います。
その背景には、前述したとおり、「女性は結婚したら家庭に入るべき」と古い考え方がいまだに根強いこともあるでしょう。
あるいは、企業の経営者や上司が社員に対して普段から過酷な労働を課しており、それができなくなったらいかなる理由であっても(妊娠・出産も含めて)切り捨てる、という身勝手な考え方を持っている場合もあります。

そもそも、妊娠・出産は人間としての自然の営みの1つです。これを認め、そのための配慮を十分におこなうことは、当然のことのはずです。なのに、その配慮ができないのはいかなることか、と強く疑問に思います。
また、女性の妊娠・出産は少子化による人口減少社会に陥っている日本にとっては歓迎すべきことです。
ところが、マタニティハラスメントを受けた女性の救済策は、今のところ男女雇用機会均等法を根拠として、裁判で争うしかありません。
しかし、マタニティハラスメントを受けた女性が、いちいち裁判を起こすなどの面倒なことは困難です。
結局、泣き寝入りをせざるをえない女性が多くいると思います。

いままでセクハラやパワハラという言葉は、社会で広く認知されてきましたが、このマタニティハラスメント、略して「マタハラ」ももっと広く社会で認知される必要があるともに、この防止策を講じなければなりません。
折しも、第2次安倍内閣は成長戦略の柱の1つとして、「女性の活躍推進」を掲げております。
このなかで、妊娠・出産・子育て期における継続就業に向けた支援として、育児休業中・復職後の能力アップに取り組む企業への助成制度の創設や中小企業における育休復帰支援プラン(仮称)の策定支援などの取り組みも盛り込まれておりますが、これらが単なる「お題目」に終わらないよう、政府が本気になって対策に取り組むべきだと思います。

私個人の考えでは、マタハラをおこなう企業は「ブラック企業」同じであり、ブラック企業対策と同等の対策を講じていくべきだと思います。
なぜなら、マタハラの背景にあるのは「会社の命令通りに働けなくなった者はやめてもらう」という考えが背景にあるからであり、この考え方はブラック企業と同じだからです。

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