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スペインの財政危機とEUの支援問題

ニュースを見ていると、スペインの財政破綻を回避するためにEUが支援をおこなうかどうかが問われている問題が報道されていました。
ギリシャの財政破綻のときと同じジレンマが、スペインとEUを悩ましているようです。

まず、財政破綻つまり国家が破綻してしまうとどうなるかを考えてみます。
国が破綻すると、その国が発行する国債の信用がなくなります。
つまり、国債の暴落が起こります。
国債が暴落すると、金利が一気に上昇します(債権価格と金利は反比例の関係にあるからです)。
国債暴落によって、国債を保有している個人や法人は大損害を受けます。
そして、金利の急上昇によって、企業は金利負担が大きくなり経営が行き詰る企業が多くなり、倒産する会社も多くなります。

さらに、財政破綻してしまうと、新たな借金(赤字国債)をすることが困難になります。
すると、財政収入を超える財政支出はできなくなり、緊縮財政を余儀なくされます。
公共事業だけではなく、社会保障費も大幅カットにならざるをえなくなります。
そうなると、経済はガタガタに落ち込み、社会保障費の大幅カットで低所得者は大変な困難に直面してしまいます。

次に、破綻した国の国債を購入していた外国の企業や政府にも悪影響が及びます。
すると、スペインの国債を多く購入しているEU各国の金融機関の経営が悪化します。
そうなると、スペインのみならずEU諸国にまで経済が悪化し、へたしたらEU全体が不況に襲われることにもなりかねません。

それを回避するために、EUはスペインへの財政支援をおこない、スペインはその財政支援を受け入れて、破綻を回避しなければならないわけですが、現実は、そのように単純にはいきません。
なぜなら、もしもスペインがEUによる財政支援を受け入れるとしたら、その条件として緊縮財政をおこなわなければならないからです。
しかし、スペイン国民は、緊縮財政による財政支出の大幅削減には反対です。
そしてEU諸国、とくにドイツの国民も、外国のために財政支援することに反対です。
それぞれ、国内では反対する国民が多いため、簡単に財政支援をおこなったり受け入れたりすることは難しいのです。

ただ、そうはいっても、このまま放置すればスペインが破綻してしまいます。
それをどう回避するか。
あるいは回避できるかのかどうか。
これからも注目せざるをえない状況が続きそうです。

ひるがえって、わが国はどうでしょうか。
わが国の場合、巨額の累積財政赤字があります。
そして、歳入の半分近くは赤字国債が占めています。
このままいけば、財政の硬直化はますます進みます。
そして、赤字国債の増大は、借り換えによってどんどん増やすことができたとしても、際限なく赤字を増やし続けることは、果たして可能なのでしょうか?
一部の人間は「日本は巨額の貯蓄があるから、国債をいくらでも吸収できるので、問題ない」と言っています。
しかし、本当に、このまま赤字国債が増大し続けても、大丈夫なのでしょうか?

すぐにスペインはあるいはギリシャのように破綻することはないと思います。
しかし、日本の財政赤字がこのまま続いていっても「大丈夫だ」といえるのでしょうか。
そのとき、日本という国が破綻するという最悪のシナリオは、非現実的と否定できる保証はない、と思います。
だからこそ、「社会保障と税の一体改革」は、早晩、必要な政策だったのだといえると思います。

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